【人間ドックQ&A】肝機能(AST・ALT・γGTP)が高いと言われた。現役ナースが数値の意味と原因をやさしく解説🌸
皆さん、こんにちは!ももです🍑
「肝機能が引っかかったんですけど、これって肝臓が悪いってことですか?」
健診の採血結果をお渡しするとき、このご質問を本当によくいただきます。
結果用紙には「AST」「ALT」「γGTP」と3つの数値が並んでいて、「どれが何なの?」「3つ全部気にしないといけないの?」と混乱される方がほとんど。
今日はその3つの数値の意味を、健診センターで毎日お伝えしている言葉でわかりやすく解説しますね🌿
🫀 まず、肝臓は何をしているの?
肝臓は、体の中で一番たくさんの仕事をしている臓器です。
- 食べたものを体が使いやすい形に変える(代謝)
- お酒・薬・老廃物を解毒する
- 血液を固めるタンパク質をつくる
- 胆汁をつくって脂肪の消化を助ける
これだけのことを休みなく24時間こなしています。
そして肝臓の怖いところは——**「沈黙の臓器」**と呼ばれるくらい、少しくらい傷んでいても症状が出ないこと。だからこそ、健診の数値が「肝臓からのSOS」になるんです。
🔬 AST・ALT・γGTPって何が違うの?
3つとも「肝臓の酵素」ですが、それぞれ見ているものが違います。
| 数値 | 別名 | 基準値 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| AST | GOT | 30U/L以下 | 肝臓・心臓・筋肉に広く存在。運動後にも上がる |
| ALT | GPT | 30U/L以下 | 肝臓に一番特異的。肝臓の状態を最も正確に反映 |
| γGTP | ガンマ | 50U/L以下 | アルコールに敏感。飲酒習慣や胆道の異常で上がる |
私が現場でよくお伝えするのは、「ALTが一番正直」ということ。
ASTは筋肉にも含まれるので、激しい運動の翌日に健診を受けると高く出ることがあります。でもALTは肝臓のことしか反映しません。ALTが高いときは、肝臓がしっかりサインを出してくれているんです。
📊 数値が高いと何が起きているの?
これらの酵素は、肝臓の細胞が傷ついたときに血液中に漏れ出てくるものです。
体温計で「熱が出た」とわかるように、AST・ALT・γGTPは「肝臓が炎症を起こしている」ことを教えてくれる体温計のようなもの。
数値が高い主な原因はこちらです。
γGTPだけが高い場合
→ お酒の飲み過ぎが最も多い原因です。休肝日を作ると比較的早く下がります。
ALTが高い(ASTも高い)場合
→ 脂肪肝・非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の可能性が高いです。お酒を飲まないのに肝機能が悪い方は、糖質や脂質の摂りすぎが原因のことが多いです。
ASTだけが高い場合
→ 筋肉由来の可能性もあります。健診前に激しい運動をしていませんでしたか?
💡 健診センターで毎年見ていること
健診センターで働いていて、肝機能について強く感じることがあります。
毎年D判定(要受診)が出ているのに、受診していない方がとても多いんです。
結果をお渡しするとき「昨年も同じ判定でしたが、受診はされましたか?」と確認することがあります。すると「症状がないし、まあいいかと思って…」という答えが返ってくることが本当によくある。
🗣️ 指導のとき、私がお伝えしていること
γGTPが高い方とALTが高い方では、指導の内容がガラッと変わります。
γGTPだけ高い方へ
「γGTPはお酒に正直な数値なんです。飲んだ分だけ上がる、飲まなければ下がる——他の肝臓の数値よりずっと素直です。まず2週間、休肝日を作ってみて、次の検査で下がっていれば、それはお酒が原因の証拠です」
この言い方をすると、「じゃあやってみます」と言ってくれる方が多いです。γGTPは生活習慣を変えると比較的早く結果が出やすい数値なので、変化が実感しやすいんです。
ALTが高い方へ(お酒をあまり飲まない方)
「ALTはお酒よりも、食べ方の影響を受けやすい数値です。白米のおかわり、甘いジュース、菓子パン——これらが中性脂肪として肝臓に溜まっていきます。『お酒飲まないのになんで?』という方の多くは、糖質のとりすぎが原因です」
お酒を飲まないのに肝機能が悪い方は、自分の生活のどこに原因があるか見当がつかず混乱していることが多い。だから「糖質」という言葉でパッと腑に落ちる方がほとんどです。
気持ちはわかります。痛くもないし、だるくもない。日常生活に支障がない。だから後回しになってしまう。
でも私がいつも心の中で思うのは——**「肝臓は、壊れてからでは遅い」**ということです。
肝臓はある程度ダメージを受けても自分で再生しようとする、すごく頑張り屋な臓器です。でもその限界を超えると、今度は修復しきれずに**「線維化(せんいか)」**が始まります。これが肝硬変への道です。
線維化した肝臓は、残念ながら元には戻りません。
脂肪肝のうちに、慢性肝炎のうちに気づいて対処できるかどうか。それが分かれ道です。
実は、肝臓を傷める原因は**「糖質のとりすぎ」**も大きいんです。甘いジュース・白米のおかわり・菓子パン——これらが中性脂肪として肝臓に溜まり、脂肪肝になります。お酒を飲まない方でも脂肪肝になるのはこのためです。
✅ 今日からできること3つ
① 糖質とアルコールを少し減らす
お酒を飲む方は週に2日の「休肝日」から。飲まない方は甘い飲み物とご飯の量を見直しましょう。
② 体重を少し落とす
体重の5〜10%を落とすだけで、脂肪肝が改善するというデータがあります。「3kg痩せる」だけで数値が変わることも。
③ 3ヶ月後に再検査
生活習慣を変えると、早い方で3ヶ月ほどで数値が下がってきます。内科か消化器科に相談するのもおすすめです。
ももからのメッセージ🍑
私がこの記事を書いたのは、健診センターで毎日のように感じるもどかしさがあるからです。
D判定の結果用紙を渡しながら「必ず受診してくださいね」と伝えても、翌年また同じ顔で来られる方がいる。2年、3年と続いて、ある年から来なくなる方もいる。
「あのとき受診していれば」——そう後悔する前に、この記事が届いてほしいと思っています。
肝臓は沈黙します。でも健診の数値は正直です。数値が「そろそろ本気で向き合って」と言っているうちに、ちゃんと聞いてあげてほしい。
壊れてからでは大変なんです、本当に。だから「症状がないから大丈夫」ではなく、**「症状がないうちに動く」**のが肝臓との正しい付き合い方です。
まず一歩、内科か消化器科に電話してみてください🌸
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